TR010

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絶縁状態監視の留意事項

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Igr方式の絶縁状態監視装置は 

下記事項を御理解の上御使用下さい。

○基本原理 :

○損失抵抗の影響:

○混信障害     :

○過大地絡時動作:

○過大静電容量  :

○IR電流値の意味:

○電路の接地方式:


 

○基本原理 : Igr方式は、

@:交流の絶縁検出用基準電圧(電力)を、電路と大地間に加える監視電源 装置と、

A:これにより流れる漏れ電流から有効分電流(電力)を検出する絶縁検出装 置で構成されており機能からは「代替微少漏電電力計法」とも呼べる方式です。


○損失抵抗の影響 : 一般的なIgr方式では基準電圧取り入れ点より負荷側の電路と大地間の静電容量に損失分(等価的に直列な抵抗分)のある場合は、見かけ上この直列損失抵抗と等価な並列絶縁劣化があるものとした有効分電流の検出をします。(直流測定値より低くなる)



○混信障害 : 混信雑音として基準電圧の周波数と近似する成分がある場合はこれの影響を受け、指示値がふらつき正しい計測が出来ないなどの障害を受ける場合があります。



○過大地絡時動作 : 電路の絶縁部分が地絡すると電路と大地間に加わる基準電圧が短絡されて低下し、力率演算のための基準電圧が得られず Igr絶縁監視装置は検出を停止することがあります。

あらかじめ重畳用変成器に第三次捲き線を設けこの電圧が選択できる工事配線とすると地絡箇所の特定が容易です。 但し第三次捲き線電圧を選択した状態では絶縁検出不能な状態(基準電圧異常)を見過ごす恐れがありますから常時とするのは避けてください。

又、直接接地系での完全地絡時電流は、最悪時変圧器短絡電流となりますから配電設計には十分ご配慮下さい。 電圧重畳用変成器の逆起電力に帰因して監視電源装置を破損する場合があります。



○過大静電容量 : 各装置の仕様に掲げる許容最大対地静電容量を超える静電容量(ラインフィルターの大容量コンデンサなど)がある場合、容量性電流の過大に起因して絶縁監視装置固有の絶縁検出障害が生ずることがあります。



○IR電流値の意味 : 絶縁状態を判断する有効分漏れ電流 IR は、微少

電圧による代替測定結果を電路の公称対地電圧に換算したものです。 従って実際の電路対地電圧に関わらず計測結果を表示します。 即ち同一絶縁状態であれば商用対地電圧の有無にかかわらず同一の電流を表示します。



○電路の接地方式 : 一般的に直接接地系配電路用です。 抵抗接地系(一線地絡電流2A程度)でも使用が可能ですが機種によって使用制限がありますから御注意下さい。

又、B種接地極とD又はC種接地極間の地電圧が高い場合計測誤差が増加しますから御注意下さい。 勿論漏電監視機能は地電圧の上昇に直接は影響ありません。

 特に3φ200V系の変圧器はJISとコストと納期の関係でΔ結線が多く使用されておりますが対地不平衡配電となるため零相電流が増加するなどの保安上の障害が見受けられます。 なるべく星形結線の御採用をお薦めします。


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