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絶縁状態監視の技術

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次に基本的なIgr方式の動作原理をご紹介します。



 Igr方式とは漏れ電流(Ig)中の抵抗性電流(Ir)を検出して絶縁の状態を管理する方式で一言で言えば漏電電力計法ともいえる方式であることは先に述べた通りです。

 図−1はIgr絶縁監視装置の一例で基本的な動作原理の説明図です。(下図にポインターをのせてください)



実際の機器では、アナログ演算法の他、電子サーボ系を利用した無効分抑圧法や、同期検波による位相判定法、零クロス残留値判定法など各種の方法が考案され利用されています。

図−1についてその動作を説明すると、

@監視電源部では絶縁計測用の商用周波と異なる低周波の電力を出力する。

A重畳用変成器はドーナツ形のコアを使用した低インピーダンス変圧器で、その窓穴内をB種接地線が二次巻線として貫通する。 

一次巻線に先の10Vの電圧を加えると変圧比1/20の0.5V(図中のVg)がB種接地線に誘起される。 

B種接地線は大地埋設電極Ebと変圧器中性(接地)点に接続されているから誘起された電圧Vgは電路と大地を給電用往復導体(図中の網掛け部分)とする単相二線式の電源部として働き絶縁部分を負荷とする絶縁監視の電路を形成することとなる。 

絶縁インピーダンスを構成するC静電容量CやD絶縁抵抗Rはこの電路の負荷を構成しており 0.5Vの電圧による電流(Ig=Igc+Igr)が流れる。 

この電流をBZCTにより検出(ZCTはフィーダーに設置することも出来る)してE有効分検出回路(力率演算部)に供給する。 

又、Vgも力率演算用基準電圧としてEに供給される。 

E有効分検出回路ではVgとIgによる力率演算の結果として絶縁インピーダンスに流れる電流のうちから絶縁抵抗に流れる有効分電流成分Igrを分離出力する。 

この電流信号は、0.5Vの代替信号で検出したものであるから、F出力電流換算回路では電路電圧と計測電圧との電圧比(図の例では210V/0.5V)を乗じて電路電圧210Vが対地間に加わったときに流れる電流に換算してGIR電流として出力する。

絶縁状態監視装置はこの電流の大きさに警報整定値を設けこれを越えたとき警報表示を行う。

又付帯機能としてIR電流の大きさを情報として出力する機能や商用周波の漏電検出機能はじめ各種周辺機能などを付帯した構成となっている。



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